展覧会『世界と孤独』シリーズは、彫刻家の袴田京太朗さんが企画を手がけ、日本橋高島屋美術画廊X(http://www.takashimaya.co.jp/tokyo/event3/)にて開催されています。vol.3の会期は2012年8月30日(木)〜9月17日(月・祝)です。ぜひご期待ください。
はじめに簡単にですが、この展覧会の経緯について記しておきます。この企画のお話を袴田京太朗さんから頂いたのは、2011年5月のことでした。小沢裕子さんとの二人展をやらないか、というお誘い。じつは小沢さんとはそれより以前から交流があり、2010年の春先から断続的にお話しをしていて、いっしょに展覧会をつくりたいという希望をもっていました。そこに袴田さんがカタチを与えてくれたという成り行きがあります。
展覧会とはその射程を明確にしなければならない、という思いが僕にはあります。この展覧会シリーズ『世界と孤独』では、3.11をめぐった美術の問題系について、袴田さんがステートメントを示されています。
「いま美術が考えるべきことは、「善」なる直接行動ばかりではなく、この状況においてまで反社会的でいかがわしく、あっけらかんと理解不能な「他者」として存在できるか、ということである」(チラシより抜粋)しかし僕は、(あらかじめ述べておきたいのですが、)小沢さんとの展覧会において、この問題系に立ち入るつもりはありません。
『世界と孤独』というタイトルに、もっと別様の入口を設けたいと考えています。僕と小沢さんで共有できる問題意識は、自己(self)についての認識論的/存在論的な問いなど、当初から一貫しておりますので、それを表わすサブタイトルをその入口の鍵にしたいと思っています。そのために『世界と孤独』vol.3小沢裕子×村山悟郎のサブタイトルは、"「私」のあらわれ"としました。ここから広がってゆく射程をこのブログでこれから見通してゆければ、そう思っています。
展覧会開催までどうかお付き合いください。よろしくお願いいたします。
村山悟郎
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